◆嚥苦吐甘の恩〜子どもに食べさせる親のはなし 〜

こんにちは(*^▽^*)

親孝行アドバイザー 秋田谷ゆいかです。


今日は、『仏説 父母恩重経』のなかから

『嚥苦吐甘(えんくとかん)の恩』のおはなし。


「嚥苦吐甘の恩」とは、

自分は食べなくとも、子に食べさせる親のはなし。

親は苦いもの、まずい物を飲み込んで、

子どもには甘いもの、おいしいものを

与えてくれるという恩です。


「食味を口に含みて、

これを子に哺わしむるにあたりては、

苦き物は自ら嚥み、甘き物は吐きて与う」

(父母恩重経)



焼き魚を食べるときも、

身は子どもに食べさせて、

自分はしっぽや頭の方を食べます。




そんな親の気を知らない子どもは、

「お母さんはお魚の骨が好きなの?」

と尋ねます。

「お母さんは、お腹いっぱいだから、

お前が食べなさい」と。


子どもの成長を願い、

子どもがおいしいところを食べれば、

自分はしっぽでも頭だけでもいい

という親の恩です。


「父母外に出でて他の座席に往き、

美味珍羞を得ることあらば、

自ら之れを喫うに忍びず、

懐に收めて持ち帰り、

喚び来りて子に与う」

(父母恩重経)


外出先でおいしそうな

菓子や果物が出されると、

自らはそれを食べず、

懐に収めて持ち帰り、

子供に分け与える。


そして子供が食べる姿を見て

満足するのが親なのです。


「己が好美の衣服は皆子に与えて着せしめ、

己はすなわち故き衣、弊れたる服を纏う」

(父母恩重経)


衣類などでも同じです。

自分は破けたり色あせた着物で我慢し、

新しいきれいな物を子どもに与える。

人からの贈り物も、

「お母さんには似合わない」と子に譲り、

お母さんは古いのを着て我慢します。


全て共通するのは、

子供が喜ぶ姿を見て満足する

のが親ということ。


何かを与えられた時。

何かをしてもらったとき。

素直に喜ぶこと。

感謝すること。


それもひとつの親孝行なのです。